ある と なる
オルファ・ベルーマ
わたしは見込みなしの王妃
尻ごみ国の口きけない妃
ちっぽけな生身 世を去るまで 招かれざる客のようで
わたしは投げ捨ての王妃
ある夜 倒れたまま
失い 求め 拒みながら また生まれ 立ち戻る
わたしは彷徨いの王妃
わたしの上のおまえの体 すえた臭い
放れない 役立たず 無礼なやつ
わたしは消え去りの王妃
からっぽで熱いおまえの棲みかが かつての抱擁を引きずっている
覚えを失った 思考ではない 日々の所作に疲れきっているのだ
行きなさい消えよ こんなにも弱い者 膿み爛れて しどけない体
行きなさい消えよ わたしは果てまで身に仕えるが おまえはそれを絡めとるのみ
八潮れん訳
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